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みなみらんぼうのスローライフ
2003年〜2005年まで日経新聞夕刊に大好評
連載された“みなみらんぼうのスローライフ”が
帰ってきました。
ある人はなつかしく、又ある人は新鮮な共感を持って
らんぼうワールドをお楽しみください。
 福岡県の玄界灘に浮かぶ孤島に沖島(おきのしま)がある。
鐘崎の浜から沖合に六十キロの無人島だ。
ここに海上安全の守り神とされる「宗像三女神」の長女を祭る「沖津宮」がある。
その管理のために、たった一人の神官が十日交代で島に常駐している。
この習わしは千年以上も続いているというから驚く。
 沖島は全体が一つのご神体とみなされているため、一般人の上陸は許されない。
例外としては、嵐などによる漁船などの緊急入港は認められているようだ。
また、年に一度の現地大祭が五月に行われるため、その清掃奉仕の人々が島に渡る。
僕はこの人々に加わって上陸した。
 上陸に際して一つの儀式がある。
真っ裸になって海に入る、いわゆるみそぎをしなければならない。
女人禁制なので恥ずかしいことはないが、寒風吹きすさぶ中ではさすがに尻込みしたくなる。
体験してみると、海の水よりもその後に塩分を洗い流すためにかぶった真水の方が冷たかったのにはまいった。
 そそくさとみそぎを済ませたあと、島の中央部にある古代の祭祀(さいし)遺跡を見る。
沖島はかつて“海の正倉院”と称されたが、それは四世紀から十世紀ごろまでの、金銅宝飾品やシルクロードから伝わった
ガラス製品など十二万点が出土したことによる。
文字通り宝の島だった。 
 祭祀遺跡のある場所はうっそうとした森に囲まれた巨岩の林立する所で、入り口には岩に寄り添うように沖津宮がある。
巨岩の下の洞穴のようになった地面には、青磁器のかけらなどが落ちていたので、思わず色めき立ったが、今掘っても宝物は
出ないようだ。
古来万一漂着しても、この島で見たことは口外してはならないという“お不言(いわず)様”の掟(おきて)が
あったため、十二万点の宝物は盗掘を免れたという奇跡の島でもあった。
原生林は天然記念物でもあり、一木一草たりとも島から持ち出してはならないという伝統は今も続いている。
 ともあれ、沖島は神秘的だった。
島全体が強い「気」をはらんでいるような不思議さであった。
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