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みなみらんぼうのスローライフ
2003年〜2005年まで日経新聞夕刊に大好評
連載された“みなみらんぼうのスローライフ”が
帰ってきました。
ある人はなつかしく、又ある人は新鮮な共感を持って
らんぼうワールドをお楽しみください。
 内の一流ホテルなら、世界中から有名人が来て泊まるので、誰々が泊まったなどというのは、いちいち問題にならない。
これが地方の温泉旅館だと、湯に浸って心持ちもゆったりするせいか、色紙を残したりして、それがロビーに飾ってあったりする。
 地方の温泉旅館に多いのが、歌人の与謝野晶子の足跡だ。
古い温泉場に行くと、本当に良く歌碑に出会う。
“晶子を追いかける温泉旅”なんて本が出れば、結構売れるのでは?と思うほど。
僕も“晶子の宿”にはずいぶん泊めてもらった。
 岩手の大沢旅館で、部屋に座って渓流を眺めていたら、女将(おかみ)さんが「光太郎さんもそうしてよく外を眺めていました」という。
誰のことかと思って訊ねる(たず)ねると、詩人の高村光太郎のことだった。
 伊豆では夏目漱石が滞在した部屋に寝かせていただいたし、下北半島では井上靖が「海峡」を書くために、取材で
逗留(とうりゅう)した部屋に泊まった。
なぜか文学者縁(ゆか)りの部屋が多く、そのつど「僕もあやかって文章がうまくなるように」などといって寝るのだが、後利益の
ほどは定かでない。
 先日かみさんと箱根の富士屋ホテルに泊まった。
ここも名にし負う老舗旅館で、一歩館内に入ると流れている空気が違う感じで、時代をさかのぼった気分になる。
ちょうど十六時からは館内案内の時間だそうで、チャーリー・チャップリンやジョン・レノンが泊まったスィートルームなどを
案内してもらえる。
若いカップルなどは「すみません、シャッター押してください」と、このときだけは恥も外聞もない。
 他にもヘレン・ケラーが泊まった部屋や、三島由紀夫夫婦がハネムーンで使った部屋など、今も客室として使われている。
うちのかみさんは、部屋に入るとボーイさんに「この部屋にはどなたか有名人が泊まったんですか」と聞いた。
ボーイさんは聞かれるのを予測していたのだろう。
「ハイ、川端康成様、池波正太郎様他(ほか)がお泊りになりました」とスラスラ。
うーん、僕たちはさしずめ「他」になるのだろうなあ。
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